【オール電化車中泊】車内で炎を使わないバンコンスタイル

今回のテーマは「オール電化車中泊」です。

車中泊は、キャンピングカーや車中泊仕様の車両内で「煮炊き・寝起き」をしますが、食事を作ったり飲み物を作る際には何らかの熱源が必要になりますし、冬季の車中泊では煖を取るための手段が必要となります。

オール電化車中泊とは、キャンピングカーや車中泊仕様の車内で炎(火)を使わずに、電気エネルギーだけを使って熱源を確保しよう…という車中泊スタイルです。

今回は、筆者が車内オール電化する理由や、その方法などをお話ししたいと思います。

車内オール電化とは

筆者が考える「車内オール電化」は、車内では電気以外のエネルギーを使わず、バッテリー(蓄電池)に蓄電して置いた電気エネルギーを、必要な場面で必要な電力量を取り出して利用します。

そして、その電気エネルギーはソーラー発電をはじめ、できるだけ再生可能エネルギーによって発電されたものでありたいと考えています。

ただし、誤解なきよう申し上げておきますが、バッテリーから電気エネルギーを取り出して利用すると言っても、車両のエンジンを始動したりヘッドライトやワイパー、ウィンカーなどの電装品を動作させているメインバッテリーを使う訳ではありません。

これだけは絶対に誤解のないようにしてください

メインバッテリーから車中泊のための電気を取り出してしまうと、最悪の場合、バッテリー上がり(溜めた電気を使い切ること)によってエンジン始動できなくなることがあるので、絶対に避けましょう

ここでいうバッテリーとは、車中泊のために使う電気を専門に溜めておく「サブバッテリー」や、持ち運び可能な「ポータブル電源」を指します。

車内で火を使うことの危険性やデメリット

まずは、筆者が車内オール電化を目指すようになった理由をお話しします。

「なぜオール電化か」より、「なぜ車内で炎(火)を使わないのか」と考えた方がわかりやすいと思います。

酸欠・一酸化炭素中毒による命の危険性を回避

車内で使用する「炎」といってもさまざまです。

調理に使うバーナーやストーブ、炎を燃やすタイプの煖房器具、燃焼型のランタンなど、いずれもガスや液体燃料を燃やす調理道具や暖房・照明器具などは、いずれも「炎」を燃やすことで車内の酸素を消費します。

実はキャンピングカーも含め、案外、車両は気密性が高いことが関係していて、窓や扉を開けたり、ベンチレーターで吸排気を行うなどしない限り、車内の空気はほとんど入れ替わることがありません。

車内で閉め切りで眠るだけでも酸欠に注意すべきとされているのに、車内で炎を使うとなればよほど換気に注意しないかぎり、勝手に窓やドアの隙間から新鮮な空気が流れ込むことはありません。

そもそも、車内の空気の量が減少すれば外から流れ込みますが、炎の利用によって酸素→二酸化炭素に変化するだけで車内の空気の量は変化しないため、勝手に外気が流れ込むことはありません。

換気せずに炎を使い続けた場合、当然の結果として「酸欠」となります。

酸欠だけでも人体にとっては致命的ですが、燃焼機器は酸欠による不完全燃焼を起こし、車内には一酸化炭素が充満することとなり、生命の危険度は飛躍的に高まります。

もちろん、必要な量の新鮮な空気を取り入れることに留意して、車内での炎の使用と上手に付き合っているキャンパーさんも少なくありません。

しかし筆者の場合は、常にそれを意識していることを負担に感じてしまって、車中泊を楽しめないことがあったことから、車内で炎を使うのをやめた次第です。

特に就寝中の炎の使用は、たとえ小さな炎1つのランタンであっても、自覚症状がないまま命を落とす確率が高くなるため絶対に避けたいと考えています。

車内の汚れや臭い付着の防止

豪快に肉を焼いて…はアウトドアでの食事の定番ですが、特に昨今ではミニ鉄板で肉を焼くスタイルが流行しています。

たしかに、「鉄板焼きステーキ」は旨いですし、絵にもなるので「映え」目的で実践されるほうが多いですが、これを車内でやったらどうなるか…です。

脂が跳びはね、油分を含んだ煙が車内に充満し、漂う油や煙による臭いが壁面や天井にくっつくのは誰でもわかります。

1回や2回では見た目ではわかりませんが、回数を重ねれば次第に汚れや臭いの付着は進みます。

オイルやガスを燃やすタイプの暖房器具やランタンの煤(すす)も同様です。

車内でオイルやガスの炎を燃やすと、すぐに天井が黒ずんでしまいます。

それも車中泊の味だ…ということなら止めはしませんが、お気に入りのキャンピングカーや車中泊仕様車をいつまでも綺麗に大事に乗りたい場合には、車内での炎調理やオイル系ランタンの使用はおすすめできません。

燃料常備の危険性

車内での調理や照明用の器具で炎を燃やすための燃料(ガスやアルコール、ガソリンなど)を車内に常備することは非常に危険です。

特に車内温度が50℃以上、場所によっては70℃超にもなる夏場は、燃料の発火の危険性が増大します。

好きなときに気が向いたらフラっと出かけられるのは、キャンピングカーの大きなメリットの1つですので、燃料を常備しておけばいつでも食事を作って暖を取ることができるのは確かです。

しかし、そうした利便性を叶えるために背負うリスクが大きすぎます。

燃料が必要な調理器具や煖房・照明器具をやめてオール電化することは、好きなときにアウトドアに出かけられるキャンピングカーや車中泊仕様車のメリットをリスクを伴わずに活かすことになると考えます。

キャンプなどで車外で炎を使う場合には、その都度、燃料を積み込むことをおすすめします。

参考サイト:JAFユーザーテスト

車内オール電化の大前提~バッテリーは必需品

車内オール電化を実現するためには、どうしても「電源(=バッテリー)」が必要です。

バッテリーとは、電気エネルギーを化学エネルギーとして保存しておき、必要なタイミングで、電気エネルギーに戻して使用できる蓄電池です。

バッテリーが電気を溜めておけるからこそ、車内でも電気製品を利用できるので、バッテリーは車内オール電化の必需品といえます。

車内で使用する電源=バッテリーには2つの選択肢があります。

サブバッテリー

サブバッテリーは、自動車のエンジン始動やライトやワイパーなどを動かす電気を溜めて置くメインバッテリーに対して、副次的な役割を担うバッテリーです。

例えば、アイドリングストップ機構を備えた自動車には、アイドリングストップ後のエンジン始動のためのバッテリーを積んでいる場合がありますが、メイン以外のバッテリーという意味ではこれもサブバッテリーです。

本記事でいうサブバッテリーとは、キャンピングカーの居住スペースで使用する電気を専門に貯めておくバッテリーを指します。

サブバッテリーはキャンピングカー購入時に、オプション装備として購入することが多く、居住スペースの照明や換気扇、冷蔵庫、シンクの給排水などに必要な電力を供給します。

また、直流の電気を交流AC100Vに変換する「インバーター」を追加することで、扇風機や電気毛布、電子レンジ、電気ケトルなどAC100Vで動作する家電製品が使用可能になります。

サブバッテリーは、キャンピングカーの製造メーカーが車内デザインとして置き場所などを作るため、目立たない場所に邪魔にならないよう収納されており、配線なども目立たぬように綺麗に処理されています。

内装に組み込まれた集中スイッチパネルを操作することで簡単に利用できます。

一方、サブバッテリーは、重く寿命が短く、車外に持ち出せない側面もあります。

一般的にサブバッテリーに使用されているディープサイクルバッテリーは繰り返して充放電を行うことができますが、非常に重く、使用可能期間が短かめです。

また何より、固定設置されているため車外に持ち出すことができず、キャンプなどでも使い勝手が良くありませんし、自宅に持ち帰ってAC100Vで充電することもでません。

最近では、リチウムイオン電池を使用するケースが増えており、軽量化、長寿命化が図られていますが、車外持ち出しできない点はクリアできません。

また、サブバッテリーシステム+AC100Vインバータの組み合わせは高価で、キャンピングカーの価格を押し上げる最大の要因となっており、割安にキャンピングカーを入手したい場合には、装備を再検討してもよいかもしれません。

ポータブル電源

ポータブル電源とは、ポータブル(持ち運び可能)なバッテリー(充電池)です。

そのほとんどがリチウムイオン電池を採用していますが、さらに同じリチウムイオン電池の一種である「リチウムイオンポリマー電池」「二酸化鉄リチウム電池」など、リチウムイオン電池よりもさらに高性能・長寿命な製品も増えてきています。

リチウムイオン電池を採用したポータブル電源は軽量コンパクトで持ち運びに向いているので、車外利用や自宅での充電にも問題なく対応可能です。

また、繰り返し充電・放電に強く、長寿命で大容量大出力化が可能です。さらに、サブバッテリーシステムより割安な費用負担で同容量・同出力の電源を購入することができます。

選択肢の1つとして、高額で大きく重く寿命の短いサブバッテリーのオプション装備をやめて、ポータブル電源の別途購入の検討も「あり」だと考えます。

FFヒーターは車内での炎の使用にあたらない

車両の燃料を燃焼させて煖房する「FFヒーター」は、ヒーター自体は車外にあって温めた空気だけを車内に送り込む煖房の仕組みのため、車内の酸素を消費することがないため、車内オール電化でも問題なく使用できます。

FFヒーターやエアコンが装備されていない小型キャンパーの場合、車内煖房もバッテリー電力に依存することとなるため、バッテリー強化が懸案となるケースがあります。

バッテリーの充電方法

車内オール電化を目指す際に、バッテリーへの充電方法にも注目です。

あくまでも筆者の努力目標に過ぎませんが、サブバッテリーへの充電は車両の「走行充電」と「ソーラー充電」で賄うようにしています。

キャンピングカーのサブバッテリーには走行充電の仕組みがあり、キャンピングカーを走行させるだけで、メインバッテリーとサブバッテリーを充電することができます。

できればすべてを再生可能エネルギーで充電したいと思いますが、まだevのキャンピングカーは登場しておらず、やむを得ず化石燃料を燃焼して走行します。

どうしても化石燃料の燃焼による走行が避けられないのであれば、その走行エネルギーで発電し、車載バッテリーに充電することができれば、多少なりともエネルギーの回収になるのではないかと考えます。

また、ポータブル電源の多くはソーラーパネル接続が可能ですので、こちらは太陽光によってフル充電することができれば、エコな電源として利用することが可能です。

車内オール電化まとめ

もちろん、換気や取り扱いに注意して、バーナーやランタン、煖房などの「炎」を上手に使うことは可能ですし、実際に何も問題なく車内で「炎」を使っているキャンパーさんも少なくありません。

しかし、ここまで見てきたように「酸欠」や「一酸化炭素中毒」そして「火災」などを考えると、車中泊で「炎」を使いたいとは思えな自分がいますが、もう一つオール電化にする大きな理由があるとすれば「オール電化縛り」です。

車内をオール電化する…ということは、電気製品以外使えない「縛り」を設けているのと同じで、限りあるバッテリーの容量の中から、「何をして何をしないのかの選択」や「こうすれば効率がいい・悪いなどの工夫」すること自体を楽しんでいます。

今回は、車内オール電化についてお話ししました。もし車内で炎を使いたくないとお考えならオール電化を検討してみてはいかがでしょう。

最新情報をチェックしよう!