オール電化車中泊のためのポータブル電源の選び方やおすすめ機種

今回のテーマは、「オール電化車中泊向けのポータブル電源選び」です。

以前、スマートフォンの充電や、ノートパソコンやガジェットへの給電向けのポータブル電源を解説しましたが、今回は、もう少し「消費電力」の大きな電気機器や家電の利用に向くポータブル電源を選びます。

スマートフォンやガジェットの充電・給電は、端末のバッテリー(充電池)の容量を基準に検討しましたが、家電製品は、充電ではなく給電が中心となるため家電製品の「消費電力」と、ポータブル電源の「定格出力」を基準に選ぶこととなります。

この記事では、以下の3項目をポータブル電源選びの基準とします。

  • 消費電力と定格出力
  • 充電容量と使用時間
  • コスト

この記事を読めば、車中泊時に使いたい家電に合わせた最適なポータブル電源がわかると思います。

ポータブル電源選びの基本3項目

オール電化車中泊を実践しようとする際に、避けて通れないのが「電源」選びです。

オール電化を目指す以上、車内で使えるエネルギーは「電気」のみであり、車載のサブバッテリーだけでは心もとなく、ポータブル電源の併用を検討せざるを得ません。

それでは、何を基準にポータブル電源を選べばよいのでしょうか。まずは、筆者の考えるポータブル電源選びの基本項目を解説します。

ポータブル電源は消費電力・定格出力で選ぶ

車内でポータブル電源からの給電によって家電製品を使用する際に基本となるのは「(電気製品の)消費電力」と「(ポータブル電源の)定格出力」です。

消費電力

使用する家電製品が動作するために必要な電力量

定格出力

ポータブル電源が家電に出力可能な電力量

と考えるとわかりやすいですが、家電の消費電力を下回る定格出力のポータブル電源では、その家電は動かすことができないため、ポータブル電源を選ぶ際にいは、使いたい家電の消費電力を上回る定格出力のポータブル電源を選ばなくてはなりません。

使いたい家電が必要とする電力を供給できないのではポータブル電源の意味がありませんが、反面、不必要に大きな出力を持ったポータブル電源を購入してもコストの無駄遣いとなってしまいます。

まずは使いたい家電を絞り込み、消費電力に合わせて余裕のある、しかし無駄のない定格出力のポータブル電源を選ぶ必要があります。

ポータブル電源の容量は消費電力×使用時間で決まる

「消費電力」と「定格出力」以外に注目すべき数値があります。

それは「(充電)容量」と「(使用)時間」です。

ポータブル電源の容量「Wh(ワットアワー)」で表し、どれだけの電力量(W)を、どれだけ継続(h)して出力し続けられるかを表す数値です。

例えば、100Whの容量を持つ電源であれば、100Wの電球を1時間点灯することができ、50Wの電球を2時間点灯できる電気容量を表しています。

「消費電力と定格出力」に「容量×時間」を考え合わせると以下のようになります。

(1)「消費電力」500Wの家電があった場合、

(2)500W以上の「定格出力」を持つ電源でないと動かせない。

(3)1000Whの容量を持つ電源は、500Wの消費電力の家電を2時間動かすことができる

つまり、消費電力と定格出力の大きさによって「動作可能」「動作不可能」が決まり、消費電力と容量で動作させられる時間が決まるということです。

具体例でいえば、50Wの消費電力を持つ「電気毛布」は、50W以上の定格出力を持つポータブル電源で使用でき、容量350Whの電源があれば7時間の使用(就寝)が可能となります。

長時間利用する家電と短時間利用の家電がある

前項の事例「電気毛布」のように使用時間が長いものは、1回使用時の電気量(消費電力)は小さいながら長時間連続使用することで大きな電力量が必要です。

一方、電子レンジや電気ケトルなど1000W以上の大きな消費電力の家電でも、1回の温め時間は数分間であることから、1回の使用時の電力量はあまり多くありません。

  • 電気毛布 … 50W×7時間使用=350Whの電力を使用する
  • 電子レンジ… 1000W÷60分×3分=50Whの電力を使用する

このことから、小消費電力で長時間使用するタイプの家電は「容量」に注目、電子レンジのような大消費電力でも短時間使用の家電は、「定格出力」に注目して選ぶとよい…ということがわかります。

大出力・大容量を求めるとコストが上昇する

ポータブル電源を購入する際に注意すべきもう1つの注目点は「コスト」です。

ポータブル電源は、定格出力が大きいほど、充電容量が多いほど製品としての価格が上がるため、使用する予定のない大出力や、大容量の電源を選ぶことは、コストパフォーマンスの悪化となります。

例えば、車内での調理をしないのであれば、電子レンジや電気ケトルなどに対応した大出力電源は必要なく、スマホ充電やガジェットへの給電などが行える小出力・小容量の電源で充分です。

逆に、調理や煖房などいわゆる「電気を食う」家電を使用する場合、あるいは小電力ながら長時間連続使用する電気機器を使うには、ある程度は大きな出力・容量を持つ電源が必要です。

スマホ充電にしか使用しないのに、大出力・大容量電源を購入するのは、コストの無駄遣いといえます。

車中泊で使用する代表的な家電の消費電力

ポータブル電源は、どのような家電を使用するかを想定して選ぶべきですが、そのためには各家電製品個々の消費電力を把握しておく必要があります。

以下の一覧表は、車中泊での使用が多い家電について、平均的な消費電力をまとめたものです。

電気製品 使用

時間

消費電力 電気製品 使用

時間

消費電力
スマホ充電 10~20W 電子レンジ 800~1300W
ノートパソコン 50~100W 炊飯器 300~1300W
液晶テレビ 10~20W 電気ケトル 800~1300W
DVDプレーヤー 5~15W IHヒーター 1000~1500W
デジカメ充電 3~6W コーヒー

メーカー

800~1400W
電気毛布 50~80W 車載冷蔵庫 45~60W
サーキュレーター 30~50W トースター 700~1300W
ドライヤー 600~1200W セラミック

ヒーター

300~1300W

(短)数分間程度の使用
(中)数十分~1時間程度の使用
(長)数時間の連続使用

こちらの表は、車中泊で使用する事例の多い電気製品の、「使用時間」と「消費電力」をまとめた一覧です。

「消費電力」は、家電を1時間使用した際に消費する電力量であり、「使用時間」はその機器を何時間使用するかをあらわしており、実際の消費電力は使用時間をかけた数値になります。

消費電力が大きくても使用時間が短い機器や、使用時間が長くても消費電力が小さい機器はポータブル電源からの給電で利用できますが、セラミックヒーター等で消費電力が大きく使用時間も長時間に及ぶ場合は、ポータブル電源の給電での利用は難しくなります。

すべての家電製品がこの数値内に収まるわけではないので、できれば実機の消費電力を参照するとさらに正確に把握することができます。

中~大容量ポータブル電源の選び方

車中泊で、ある程度の電気を使用すると仮定した場合、ポータブル電源選びには、いくつかの区分けが必要です。

一般的に考えて、高熱を発する電気製品は消費電力が高い(つまり大出力が必要)とみてよいです。

電子レンジしかり、電気ケトルしかり、IHヒーターしかりですが、そうした家電は長時間使用することは少なく、1回の使用で消費する電力はあまり大きくありませんが、いずれも1000Wを超える定格出力が必要です。

ポータブル電源購入時の最低条件

ポータブル電源と名乗るバッテリーは星の数ほどありますが、その中から長期間に渡って安全で安定した電力供給が可能な製品を選ぶうえで、最低限の条件があります。

純正弦波出力が可能なこと

出力される電気の波形が、精密機器でも正常に動作させられられる「純正弦波」であることが重要です。「疑似正弦波」や「矩形波」は機器を損傷してしまうこともあるため避けるべきです。

シガーソケットやソーラーパネルからの充電が可能なこと

ポータブル電源は「充電池」ですので、何らかの方法で充電して電気を貯めておいて任意に引き出して利用しますが、AC100Vコンセントからの充電のみの場合、フィールドでの電力の枯渇に対応できません。

シガーソケットからのDC充電が可能なら車両の走行充電で充電が可能ですし、ソーラーパネルからの充電が可能であれば太陽光で充電ができます。

リチウムイオン電池を採用していること

現在は、繰り返し充電に強く、寿命が長く、軽量で取り扱いが簡単なリチウムイオン電池が主流となっています。

これらの条件は、価格やデザインなどよりも優先して満たすべき条件です。

500Whクラスのおすすめポータブル電源


画像出典:EcoFlow JP

400~600Whクラスのポータブル電源は、スマホやLED照明の充電やガジェットへの給電、就寝時の電気毛布の使用(6~7時間)などがメインで、車中泊時に車内調理を行わない方に向いています。

例えば、

  • スマホ5000mAhの充電2回(18.5Wh×2=37Wh)
  • LEDランタン3000mAh充電2台(11.1Wh×2=22.2Wh)
  • 電気毛布60Wh×7時間使用(60Wh×7=420Wh)

この場合の総電力量は479.2Whとなり、500Wh容量のポータブル電源で賄うことができます。

【RIVER MAX】容量576Wh・出力600W/1200W X-Boost時1200W、容量単価:110.8円

「RIVER MAX」は、容量576W・定格出力600W/瞬間最大出力1200Wを持つEcoFlow社のRIVERシリーズの中核モデルです。

この製品の最大の特徴は、エクストラバッテリーという仕組みを取り入れている点です。

実はこの「RIVER MAX」は、シリーズ最小モデル「RIVER(容量288Wh)」に「エクストラバッテリー(容量288Wh)」を合体させたモデルで、合計で576Wh容量となっています。

予め使用量が少ないことがわかっている場合には、エクストラバッテリーを取り外して軽量化して利用することが可能で、576Whの容量をフルに利用したい場合には合体することで「RIVER MAX 576Wh」として利用可能です。

また、専用アプリによるスマホからの遠隔操作や、容量の80%までを1時間で急速充電できる「X-Stream」技術など、最新鋭の機能を搭載しています。

700~1000Whクラスのおすすめポータブル電源


画像出典:EcoFlow JP

700~1000Wh容量のポータブル電源は、電子レンジや電気ケトルなどの調理家電を短時間使用し、スマホ充電やガジェット給電、電気毛布、液晶テレビなどを使用したい方向けとなります。

例えば、

  • スマホ5000mAhの充電2回(18.5Wh×2=37Wh)
  • LEDランタン3000mAh充電2台(11.1Wh×2=22.2Wh)
  • 電気毛布60Wh×7時間使用(60Wh×7=420Wh)
  • 電子レンジ800Wで3分間の温め5回(800Wh÷60分×3分×5回=200Wh)
  • 電気ケトル湯沸かし1200Wで2分、3回(1200Wh÷60分×2分×3回=120Wh)
  • 液晶テレビ20Wを4時間視聴(20Wh×4時間=80W)

この場合の総電力量は879.2Whとなり、1000Wh容量のポータブル電源であれば、100Wほどの余裕を持つことができます。

【DELTA mini】容量882Wh・出力1400W/2100W、X-Boost時1800W、容量単価:131円

EcoFlow「DELTA mini」は、20021年8月に発売されたばかりの新製品で、DELTAシリーズ伝統の大容量・大出力を継承しながら、EcoFlow独自の新技術を与えられた新時代DELTAというべきポータブル電源です。

容量は882Whで、定格出力1400W/サージ2100W、X-Boost時には1800Wの家電を動かすことが可能です。さらに「スマホ遠隔操作」や急速充電可能な「X-Stream」など機能を与えられた最新モデルです。

上記の実例のケースでも充分な容量を持っていますし、スマホとLEDランタンの充電用のモバイルバッテリーを併用することで、DELTA miniにも余裕を生むことが可能です。

1000~2000Wh超クラスのおすすめポータブル電源


画像出典:EcoFlow JP

さらに大容量となる1000Wh~2000Whのポータブル電源は、IHヒーターによる「鍋」の対応が可能になるなど、車中泊ばかりでなく、家庭用の非常電源としても充分な容量を備えます。

例えば、

  • 電気毛布60Wh×7時間使用(60Wh×7=420Wh)
  • 1000WのIHヒーターで鍋を作って食べる1時間(1000W×1時間=1000Wh)
  • 液晶テレビ20Wを4時間視聴(20Wh×4時間=80W)

スマホ充電やLED照明への充電はモバイルバッテリーを別途用意し、電子レンジや電気ケトルではなく、IHヒーターによる鍋を食事にした場合には、総電力量は1500Whとなります。

【DELTA MAX 1600】容量1612Wh・出力2000W/4200W X-Boost時2400W、容量単価:116円

「DELTA MAX 1600」も2021年に発売され、「X-Boost」「X-Stream」「スマホ遠隔操作」などのEcoFlowの最新技術が搭載された最新モデルです。

決して価格は安いわけではありませんが、2021年発売のモデルですが、容量1Whあたりのコストが比較的割安な設定となっています。

使用例の使いかたでも容量は充分ですし、定格出力2000Wはほぼ9割の家電を動かすことができるうえ、さらにX-Boostで2400Wまで対応可能となっており、これ1台あれば、アウトドアはもちろん、災害時などでも数日間の電力を賄うことができそうです。

ただし、22kgの重量は相当な重さで、車に積んでキャンプに出掛け、自由にフィールドに持って出る…といったポータブル性はあまり高いとはいえませんが、車内に据え置きで使用する2泊以上の車中泊にこそ向いているポータブル電源といえます。

EcoFlowのポータブル電源を勧める理由

家電の消費電力を上回る「定格出力」がなければ家電は動かない

これは、家電と電源の関係では「常識」ですが、EcoFlowが自社のポータブル電源に搭載している「X-Boost」機能は、この常識を打ち破る画期的な発明といえるのではないかと思います。

というのも、EcoFlowの「X-Boost」機能を搭載したポータブル電源は、定格出力を超える消費電力が必要な家電でも動かすことができてしまうからです。

例えば、「RIVER」というポータブルバッテリーは、充電容量によって3タイプが発売されていますが、3機種とも「定格出力600W」は共通です。

しかし、RIVERに搭載されている「X-Boost」機能は、家電の消費電力が最大1200Wまでであれば、本来の最大出力である600Wで動作させることができてしまう画期的な仕組みです。

例えば、RIVERは定格出力600Wを超える消費電力の電子レンジ(1000W程度)であっても、「X-Boost」機能によって、電子レンジを動かすことが可能。

温め時間は長くなりますが、本来であればまったく動作しないはずの電子レンジが、低出力ではあっても曲がりなりにも動作することは非常に大きなことです。

定格出力が大きいポータブル電源であれば電子レンジを動かすことはできますが、その分、電源のコストが嵩むのは当然のこと。

車内で家電を使おうと思えば、大容量・大出力のポータブル電源の購入を検討しますが、購入にかかる費用はできるだけ抑えたいのもまた事実であり、「X-Boost」はそうした希望を叶えてくれる1つの方法であることは間違いありません。

筆者がEcoFlow製ポータブル電源をおすすめするのはこのような理由によるものです。

オール電化車中泊向けのポータブル電源 まとめ

ここまで、オール電化車中泊で家電の使用を前提としたポータブル電源選びについてみてきました。

車内で「炎」を使用しないオール電化車中泊では、電力をいかに確保するかが重要となってきますが、車載サブバッテリーに加えてポータブル電源を1台持っているだけで車中泊が各段に快適になります。

車内でどのような家電を使うのかによって、選ぶ機種も違ってきますし、購入価格も様々ですが、ぜひ自分の使途にあったポータブル電源を見つけて、車中泊を楽しんでください。

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