いつも日帰りメインでトレッキングを楽しんでいる。たまに山小屋に泊まるけれど、そろそろテント泊にも挑戦してみたい。でも、何を揃えればいいんだろう?
そんなお悩みはありませんか?
今回は、元・某アウトドアショップ店員の筆者が、登山のテント泊に必要な持ち物をご紹介します。
今回は、日帰りや山小屋泊の装備以外で必要な物を、まずこれだけはおさえたい!という必需品にしぼって、選び方と合わせてまとめました。
テント泊登山に必要な持ち物を揃えるのに良い時期は?
初めてテント泊をするなら、春夏が適期です。
もし春夏にテント泊登山をするとしたら、冬のうちから少しずつ必要な持ち物を揃えていくのがおすすめ。
昨今は原料不足やアウトドア人気などの理由から、春先になっていざ装備を揃えようとお店に行ったら品切れ、ということがあります。
また、テント泊装備は一度に揃えようとすると高額です(目安は10万円以上)。
特に大物のギアは、ウェアや小物に比べて選ぶのも決めるのも時間がかかりがちです。やはり、ゆっくり見る時間が欲しいですよね。
以上のことから、テント泊装備は冬のうちから少しずつ揃えていくのがおすすめと言えます。
初めてのテント泊登山に必要な持ち物は?
必要な持ち物リスト
初めてのテント泊登山に必要な持ち物リストは以下。
・テント
・グラウンドシート
・シュラフ(寝袋)
・マット
・ザック
・靴
・調理器具・食料
・防寒着
順番に説明していきます。
テント
山岳テントとキャンプ用テントの違い
キャンプ用テントをお持ちの方もいるかもしれませんが、山岳テントとは違う点がいくつかあります。
いちばんの違いは、重さと大きさです。基本的に山岳テントの方が軽くてコンパクトです。
1グラムでも荷物を軽くしたい登山、ましてや荷物の多いテント泊において、特に重さは重要。
荷物の軽さはリスク管理と快適さUPに繋がりますので、なるべく軽い物がおすすめです。
さらに、山岳テントは強風にも耐えられるよう張り綱が付いています。キャンプ用のテントには張り綱が付いていない物もありますので注意。
ただし、張り綱が付いていて風に強く重すぎない物であれば、登山にも使える場合もあるので、もしお手持ちのテントがある場合はこれらのポイントを確認しましょう。
また、これから初めてテントを購入したい方で、登山とキャンプ兼用で使える物がいい場合は、山岳テントをおすすめします。
広さなどの居住性はキャンプ用テントにかないませんが、重さを考えるとキャンプより体力的にハードな登山に合わせて軽いものにしておいたほうが後々楽でしょう。
テントの大きさの選び方
テントの大きさは、一人でも二人用にしておくと荷物を置いたときに窮屈になりづらく、快適でしょう。ただ一人用の方が軽いです。居住性と軽さのどちらを取るかになります。
グラウンドシート
グラウンドシートをテントの下に敷くことで、傷や汚れからテントを守り、防水性を高め、湿気を遮ります。あると保護性と快適性が断然違いますので、必需品と言っていいでしょう。
テントより大きいとはみ出た部分から浸水するので、テントより一回り小さいサイズの物を使用します。
アウトドアメーカーのテント専用のシートは初めからテントより小さめの作りになっているので、テント購入の際に一緒に買ってしまうのがおすすめです。
シュラフ(寝袋)
素材と暖かさで選びます。まず、素材にはダウンと化繊があります。
ダウンのメリットは、軽くてコンパクトで暖かい点です。ダウンの質にもよりますが、お店で同じ暖かさの化繊の物と見比べると、大きさの違いに驚くでしょう。
ただし、濡れに弱いので結露する時期はカバーが別途必要になります。
化繊のメリットは、コスパが良くメンテナンスが楽な点です。洗濯機で丸洗いできるので、汚れを気にせず使えるでしょう。
テント泊登山では、軽くてコンパクトなダウンのシュラフがおすすめではあります。
次に暖かさですが、春夏であればスリーシーズン用の物がおすすめです。ただし、体感温度は個人差があるので一概には言えず、難しいところです。
特に冷え性の女性は、多少大きくなっても一段暖かい物を選ぶのもいいと思います。
マット
マットは、安価で折りたたみ式の外付けタイプと、コンパクトになりザックに収納できるタイプがあります。
大型ザックを背負うことを考えると、ザックの中に収納できるタイプがおすすめですが、外付けタイプは膨らませる手間がなくいつでもサッと広げるだけで使えるメリットもあります。
予算や好みで選びましょう。
ザック
大型ザックが必要です。季節や泊数によりますが、スリーシーズン・1~2泊であれば、50~60Lの物が良いでしょう。
おおまかに、軽量タイプとスタンダードタイプに分かれます。軽量の方が軽くて楽そうに見えますが、スタンダードタイプは作りがしっかりしていて背負心地に安定感があり、結果として体感が軽く感じる場合があります。
同じメーカー、同じ容量でも背負い心地は商品によって差がありますので、必ずフィッティングして決めましょう。
靴
テント泊の重い荷物の荷重がかかっても耐えられる、ハイカットでソールの硬いしっかりした靴が必要です。
日帰り登山で履くような軽めのトレッキングシューズは、普段は履きやすくて良いのですが、テント泊登山で履くには柔らかすぎます。
靴が柔らかいと重い荷重を支えきれず、グラグラします。岩場では突き上げで足が疲れます。
靴は適材適所の要素が強く、山行に適した靴を履くことがとても重要です。とくに山を始めたての方ほど、靴が足を守ってくれます。
ぜひフィッティングを重ねて、ご自分に合う靴と出会ってください。
調理器具・食料
バーナー、ガス、コッヘル、カップやお皿など、食事に必要なものを揃えましょう。
食料選びのポイントは、日持ちする、軽い、簡単で早くできる、カロリーをしっかりとれる、温かいもの、といったところです。
フリーズドライ食品は軽くて日持ちするうえに、お湯を注ぐだけと簡単で、便利です。
防寒着
テント泊登山では朝晩のいちばん冷える時間帯を山で過ごすので、防寒着は日帰り登山のときより多めに持参しましょう。
フリースなどとは別に、ダウンジャケットも必要。季節によりますが、春夏なら薄手の物で良いでしょう。少し寒い時期はダウンパンツもあるとより暖かいです。
シュラフで寝ていて寒いときにも、ダウンウェアを着ることで暖かくできますので、テント泊では必携アイテムです。
テント泊登山に必要な持ち物まとめ
山の中に泊まり、朝焼けを見ながらコーヒーを飲む時間は格別です。
必要な持ち物をしっかり揃えて、テント泊登山の楽しさをぜひ味わってみてください。